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渓流の水の眩しさ


 2016年1月、のど痛が長引いたのがきっかけで、まさかのステージIVaの口腔がんが発覚しました。翌月には手術できましたが、既にリンパ節への転移がありました。予防のための術後の抗がん剤と放射線治療のため、再度入院しました。

 2回、のべ3ヶ月にわたる入院治療を終え、自宅に戻れたのは5月中旬。当時は、将来への不安しかありませんでした。

 自宅療養中に少しずつ自分を取り戻し、夏には長時間の運転ができるように。秋の復職の前に少しでも思い出をつくろうと、お盆の頃に都幾川(ときがわ)へ家族で日帰りキャンプへ。

 写真は、着いてすぐ、次男がそっと足指を渓流の水面につけたときの一枚。滝の水がきらきらして、自分が生きていると実感しました。目に映るすべてが眩しかったです。

 いま2018年11月の末、復帰後の仕事も無事2年が経過。年明け2月には術後3年が経過。

 あの夏の日の渓流の眩しさに感じた、お世話になった医師や看護師の方々への敬意、当時の私の職場の皆さんへの感謝、仕事を続けながら子ども2人を育てる妻への想いは、忘れません。

 冬は傷が痛みますが、何にも代えがたい1日1日を丁寧に生きていこうと思います。

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渡辺 昌一(口腔がん・40代/罹患40代)

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