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サラリーマン生活30年


 癌かも知れないと告知されて、目の前が真っ白になった時に、サラリーマン生活30年の足跡とも言える、今まで交換した名刺の整理を無心で行いました。

「もう逢わないだろう人」

「これからも仕事上でお付き合いをする人」

「困った時に頼りになる人」

 それぞれを分けて必要なさそうな名刺は、30年間の感謝の気持ちを込めて捨てました。

 まだ検査結果も出ていないのに「死」を意識して、これで自分の「サラリーマン生活は30年で終わるのかもしれない」という思いが、名刺の整理をさせたのかもしれません。

 しかし、これには後日談があって、名刺の整理が終わり、パソコンのデータを整理して、次に写真や紙の書類を整理し始めた頃から、「この30年間、イロイロな部署を経験してきたなぁ」と、改めて思い返し、「まてよ、この先まだどうなるかわからないし、これだけの経験と人脈があるなら、収入は減ったとしても、短時間勤務に変えてもらっても、通用するんじゃないか?」と、不思議と「生きる」事に考えが進んでいき、検査結果が出て告知を受ける2月には「前向きに治療に取り組む」という決意ができていました。

 「死」を意識して始めた名刺の整理が、気持ちの整理をする結果になり、「生きる」ためにキッカケになったのです。

 この名刺の3つの束は、そんな思いがある写真です。

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