僕にとってホッとする場所は縁側です。
ここには沢山の思い出が詰まっています。
夏の暑い日、近所の子供達と冷たくひやしたスイカを食べた思い出。
暑い夏の日、夕涼みをしながらアイスキャンディーを食べた思い出。
家族と花火大会をした思い出。
お団子を作って、お月さまを見ながら食べた思い出。
落ち葉が庭に積もりはじめた日、おじいちゃんが焚き火の中にサツマイモを放り込んでくれて、ホクホクの焼き芋を食べた思い出。
思春期の頃、親に言えない事を、おばあちゃんに話した思い出。
お正月、凧が上手く上がらなくて、おじいちゃんに直してもらった思い出。
そして40年経った今。
病気を告知されて、今後の事を悩んだ時にも、この縁側に座っていました。
大人になった僕の横には、昔の様におじいちゃんやおばあちゃんがいて、励ましてくれました。
「大丈夫」「大丈夫」と、肩を叩いてくれてる様な。
いくつになっても、この縁側に座ると、おじいちゃんやおばあちゃんに包まれている気がします。
思い出がたくさん詰まった「縁側」が、僕にとって一番ホッとする場所です。
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山下 睦(肺腺がん・54歳/罹患51歳)
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